AIDMA とは何か?ユーザーの購買行動モデルを理解する

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2024年5月6日
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概要

マーケティング戦略を練る際、消費者の購買決定プロセスを意識することはとても重要です。購買行動モデルにはいくつかありますが、この記事ではその中のひとつ AIDMA について解説します。「AIDMA (アイドマ) の法則」とは何か、そのプロセスやメリット、効果的な活用方法などについて知りましょう。

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AIDMA とは何か?

AIDMA (アイドマ) とは、消費者の購買決定プロセスモデルのひとつです。

1920年代アメリカのサミュエル・ローランド・ホール氏が、広告宣伝に対するユーザーの心理プロセスとしてはじめて提唱しました。AIDMA は、以下 5 つの段階の頭文字を取ったビジネス用語です。

  • Attention (注意)

  • Interest (関心)

  • Desire (欲求)

  • Memory (記憶)

  • Action (行動)

消費者が商品やサービスを知ってから購入に至るまでには上記の 5 つのステップを踏むものとして提唱された AIDMA ですが、このうち、Attention を「認知段階」、Interest、Desire、Memory を「感情段階」、そして Action を「行動段階」と区別します。

それぞれのステップについては、後述する『AIDMA のステップ』で詳しく解説します。

AIDMA を活用するメリット

AIDMA モデルを利用するメリットをまとめてみましょう。

適切なタイミングで適切なアプローチができる

まず第一に、AIDMA は顧客の購買行動を理解するために役立つフレームワークです。各ステップが順序立てられているので、顧客がどの段階にいるかを把握しやすくなり、適切なタイミングで適切なアプローチを行うことが可能になります。

効果的なアプローチを行えば、顧客との関係も強化されます。各ステップで顧客のニーズや興味に合った情報やサービスを提供することで、顧客の満足度やロイヤルティを高めることができるでしょう。顧客が自分のニーズが理解され、適切に対応されていると感じることで、ブランドや企業に対する信頼感や忠誠心が向上します。

記事: 顧客管理: 新しい顧客を惹きつけ、満足度を維持する方法

効果的なマーケティング戦略を立てられる

AIDMA はマーケティング戦略の計画と実行に役立ちます。各段階に焦点を当て、それぞれに合った戦術やコンテンツを展開することで、顧客の購買意欲を高めることができるでしょう。

例えば、注意を引くための広告や関心を深めるための情報提供、欲求を刺激するための特典や割引、そして購買行動を促すための簡単な購入プロセスを用意することができます。

さらに、AIDMA はマーケティング活動の効果を測定するための指標としても役立ちます。各ステップにおける顧客の反応や行動を追跡し、どのステップでどれだけの成果が得られているかを評価することは、戦略の改善や最適化を行う上で非常に重要です。

記事: 戦略と戦術の違いとは?

ペルソナと組み合わせてさらに効果的なアプローチができる

商品やサービスを提供する際は、ペルソナを具体的に設定し、その行動や心理を分析し最適な販売手法を取らなければいけません。AIDMA とペルソナをうまく組み合わせて考えれば、設定されたペルソナが AIDMA の各ステージでどのような行動をとるのかを分析し、最適なマーケティング戦略を立てることができます。


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AIDMA のステップ

AIDMA には 5 つの段階があると前述しましたが、ここではその各ステップの詳細と、それぞれにおける効果的なマーケティング戦略について考えてみましょう。

1. Attention (注意)

Aidma の法則におけるはじめの段階は「Attention」、つまり消費者が商品やサービスに対してはじめて注意を払い、認識するステップです。

この段階では、消費者はまだ商品・サービスを知らないので、まずは注目してもらうことを目的としてプロモーションしていくことが必要となります。ユーザーの注意を引くためには、テレビ広告やネット広告、メディア記事、魅力的なキャッチコピーを打ち出したり、ターゲットオーディエンスの関心を引く情報やエンゲージメントを促すコンテンツを提供します。SNS やインフルエンサーマーケティングなど、ペルソナが活発に参加するプラットフォームの活用もおすすめです。

記事: SNS マーケティングとは?重要性、メリット、手法、進め方などの基礎知識を解説

2. Interest (関心)

Interest の段階にいる消費者は、商品は知っているけれど、興味がありません。つまりこの段階での目標は「関心を持ってもらうこと」です。

そのためには、製品やサービスの特長や利点を明確に伝え、それが消費者にとって有益であることを実感してもらうことが大切です。顧客の問題解決やニーズへの適合性を強調し、興味を引くようなマーケティング戦略を立てましょう。

たとえば、ブログ記事や口コミ、顧客レビューなどを活用して、製品やサービスの価値を伝えることが有効です。

3. Desire (欲求)

AIDMA 3 つ目のステップは「Desire (欲求)」です。このステージにいる消費者は、商品やサービスに興味はあるものの、欲しいとは思っていません。そのため、ここで重要なのは消費者の欲求を刺激することとなります。

そのためには、自社サイトなどを通して商品やサービスについてより深く知ってもらうことが大切です。魅力的な特典や付加価値の提示も有効でしょう。限定セールや特別なプロモーション、無料サンプルの配布なども、このステージにいる顧客にアプローチするのに効果的です。

4. Memory (記憶)

AIDMA の 4 つ目の段階は、Memory、つまり商品やサービスのことを欲しいと思ったことを忘れている段階です。ここでの目標は、顧客の記憶を呼び起こすこととなります。

たとえ一度購買欲求を持ったからといって、すぐに購入という行動に移る消費者は多くありません。他社製品と比較したり、興味が薄れているユーザーもいるでしょう。そこで、リターゲティング広告といった手法で、顧客の購買意欲につながるプロモーションを行います。

5. Action (行動)

AIDMA の最終段階が Action (行動) 段階、つまり購入してもらうための最後の一押し段階です。ここで重要なのは、顧客に商品・サービス購入の機会を与えることで、そのためには、購入プロセスを簡素化し、購買意思決定をサポートするようにします。

たとえば、直接的な呼びかけや、サイト内のクリアなコールトゥアクションの提示、明確な購入手続きの構築を行えば、顧客は購入行動へ移しやすくなります。より安心して行動してもらえるよう、保証制度などのアフターサービスを強調することも、購買決定を後押しする要因となるでしょう。

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AIDMA の成功事例

AIDMA の成功事例として有名なのが、Nike の「Just Do It」キャンペーンです。AIDMA モデルを活用した効果的なマーケティング戦略として知られています。ここでは、それぞれのステップでどのようなアプローチを行ったのかに注目しながら、見てみましょう。

まず、「Attention (注意)」の段階で、Nike は斬新でインパクトのある広告キャンペーンを展開。「Just Do It」のキャッチフレーズは、大胆かつ力強いメッセージで世界中のランナーやアスリートたちの注目を集めました。

次の「Interest (関心)」の段階では、有名なアスリートやインフルエンサーと提携し、製品の利点や機能を示す情報を提供しました。さらに、製品のデザインや機能に関する興味深いストーリーを通じて、消費者の関心を深めました。

「Desire (欲求)」の段階では、限定エディションやコラボレーションアイテムなどの特別な製品を提供し、顧客の欲求を刺激しました。一方で、アスリートや有名人のエンドースメントも活用し、さらなる顧客の購買欲求を刺激することに成功します。

「Memory (記憶)」の段階で Nike は、強力なブランドイメージを築き上げました。彼らのアイコニックなロゴやスローガンは、世界中の人々の記憶に残り、ブランドの認知度を高めました。また、Nike は積極的に顧客とのコミュニケーションを図り、ブランドのストーリーを継続的に伝えることで、顧客の記憶に残る体験を提供しました。

最後に、「Action (行動)」の段階では、簡単でスムーズな購買プロセスを提供し、顧客が製品を購入することを容易にしました。また、彼らは顧客との長期的な関係を築くために、アフターサービスやコミュニティイベントなどの付加価値を提供しました。

その他の購買行動モデル

消費者の購買行動モデルは、AIDMA だけではありません。消費者の行動パターンは時代の流れとともに変わるものなので、常に変化しています。ここでは、AIDMA に近い購買行動モデルをいくつかご紹介します。

モデル名

段階

概説

AIDA (アイダ)

Attention (注意)

Interest (関心)

Desire (欲求)

Action (行動)

初の購入決定プロセスと言われ、AIDMA の原型とされる購買行動モデルです。

AIDCA (アイドカ)

Attention (注意)

Interest (関心)

Desire (欲求)

Conviction (確信)

Action (行動)

AIDA に「Conviction (商品やサービスの価値を確信する段階)」が加わったフレームワークです。

AMTUL (アムツール)

Attention (注意)

Memory (記憶)

Trial (試用)

Usage (使用)

Loyalty (忠誠度)

「試用」「使用」「忠誠度」の段階があるのが、他のモデルと異なる点です。最終的に顧客の忠誠度を獲得することを目指します。

AISAS (アイサス)

Attention (注意)

Interest (関心)

Search (検索)

Action (行動)

Share (共有)

インターネットやソーシャルメディアの普及が進んだ現代における顧客の行動モデルといえます。

まとめ: AIDMA をマスターして成功をつかむ

AIDMA の法則とは何か、そのメリットや各ステップを解説し、具体例やその他の購買行動モデルをまとめました。AIDMA はマーケティング戦略を立てるための重要なモデルであり、5 つのステップを通じて顧客の消費行動を促進します。AIDMA を考慮して、今後のマーケティング活動を効果的に進めましょう。

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AIDMA に関するよくある質問

Q: AIDMA (アイドマ) とはどういう意味ですか?

A: AIDMA とは、Attention (注意)、Interest (関心)、Desire (欲求)、Memory (記憶)、Action (行動) の頭文字を取って作られたビジネス用語で、顧客の購買行動モデルの 1 つです。

A: AIDMA (アイドマ) の法則の目的は、効果的に顧客の購買行動を促し、マーケティング施策の最適化とビジネスの成果を最大化することにあります。

A: AIDA と AIDMA はどちらも顧客の購買行動モデルです。両者の違いは、AIDA が 4 つのステップから成っているのに対し、AIDMA はそれに「Memory (記憶)」のステップが追加されていることにあります。

A: AIDMA も AISAS も、顧客の購買行動モデルです。両者の違いは、想定される段階にあります。AIDMA が「Memory (記憶)」を含んでいるのに対し、AISAS には「Search (検索)」と「Share (共有)」のステップが含まれています。

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